戦争や貧困、差別、自然破壊など、人間の手によって引き起こされる災いを前にして、私達にはいったい何ができるのでしょうか。平和な世界の構築と、持続可能な社会の推進を目指すユネスコスクールには、本校の教育理念「国際教育」「人間教育」と共鳴し合うものがあります。ユネスコスクール・ネットワークの一員として、世界の課題解決に取り組んでいきたいという強い思いを持ち、本校は2019年、加盟に向けての活動を開始しました。
まずは「環境」の観点から、地域の方々と協力し合うことで、ふるさとの水文化を守り、それを更に発展させ、継承することに取り組みました。そして「平和の使節団」としての海外研修旅行や異文化交流、また「松徳スカラシップ」と名付けたフィリピン学資支援募金、またバングラデシュ奨学援助募金など、伝統的に取り組んでいる「国際」「福祉」の分野での活動も更に深めていきました。コロナ禍のため、審査に3年半もかかりましたが、2023年2月、粘り強く続けてきた本校の活動は支援者や審査員から高い評価を受け、公式加盟校として認定されるに至りました。
活動を続ける中でひとつ、見つけたことがあります。それは生徒達の心の中に「ミッション(使命感)」が芽生えてきたことです。どんなに小さくてもかまわないから、「誰かのために、何かのために」できることをしよう、と考える生徒が増えてきた、と感じます。身近な課題に取り組みながら、彼らの視線が世界へと向かっていくこと、そして一人一人が心の中に「平和の砦(とりで)」を築くことを目標に、松徳学院はユネスコスクール活動を推進してまいります。
2023年3月